片想い~Love song for you~
あたしは息を吐いて、
ふわふわしたような心地よい気持ちに浸る。
周りを見ると、
3、4人の若者が立ち止まって見てくれいた。
秋はあたしの前で、得意気な顔をして座っている。
それを見て、聴いてくれる人がいたのだと安心した。
歌っているとき、
こんなに幸せなことあるのかって思った。
音楽が、歌があたしにとって
なくてはならない物に
なっていた。
そんな事に今さらながら
気付いた。
秋の得意気な顔を見て、
なんで秋が得意気になってんの?って思ったけど、
そんな友人がいて
幸せだと思った。
音楽と一緒に輝いて行きたい。
まだまだ、先の事は分からない。
でも、音楽はずっと自分の側にいてくれるような気がする。
今日はそんなに長くいる
予定ではなかったから
あたしの好きなアーティストの
曲をもう一曲歌って
終わりにした。
秋と一緒にまた、マンションまで帰る。
秋はいつも以上に静かで、
喋らなかった。
“お疲れ様”と言って笑っただけだった。
あたしの第一歩。
とても良いスタートだ。