片想い~Love song for you~
side -who?-


僕は最寄り駅の『桜並木駅』に
いた。

家に帰るため、人気のない広場を通ろうとしたが1年の“小川秋”という人物がいたので立ち止まってしまった。

小川秋はこの僕の生徒会の誘いを断った失礼な奴なのだ。


彼はとても社交的らしく、
おまけに人望も厚くうってつけな訳なのに“面倒臭い”という馬鹿な理由で断った。



こんな所で何をやっているのかと思って見ると路上ライブを聞いていた。


歌っているのは
確か1年の佐々木さん。

美人で有名な彼女は密かにファンクラブなどもある。


びっくりしたのは
すごい歌が上手い。
上手いとまとめるとは少し、おこがましいほどに。

まさに天使の歌声だ。



この時、僕は
すごい良いアイデアを思いついた。


今度の文化祭では、今1つ目玉になる団体がいない。
いや、いないのではなく
ステージ上の演出がマンネリ化しているのだ。




そこで、彼女のような原石を出演させれば絶対盛り上がる。

これは間違いない。



僕は彼女が歌い終わって帰る姿を見ながら、
彼女を絶対にステージに立たせるという思いを強くしたのだった。




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