片想い~Love song for you~
「楓?どうしたの??」
あたしは思わぬ助っ人登場に
満面の笑みで答えた。
その時、秋はあからさまにあたしを睨みながらチッと舌打ちした。
あたしはそんなの気にしないで、楓に視線をやる。
楓は教室の後ろのドアに寄りかかりながら手招きをした。
楓は隣のクラスだから、
中々顔を合わせない。
またこうやって話せて
うれしいなぁと顔が綻ぶ。
あたしは楓の元へ小走りで行く。
「久しぶりだねぇ、楓。」
『そうだな。秋、怒ってたか?』
「ううん。ま、ちょっとイライラしてるみたいだけど大丈夫!!」
『相変わらずだな。秋は心配性だからしょうがないよ。』
楓は目を細めて笑った。
「あれ?なんか、用事あったんでしょ?わざわざG組まで来てさ。」
すると、楓はあたしの頭に手を置きながら言った。
『いや。昨日どうだったか聞きたくて…ごめんな?行ってやれなくて。』
「全然大丈夫だよ!!昨日は秋が一緒に行ってくれたの。」
『秋には歌のこと話したのか?』
「うん。隠す事じゃないから…
くるちゃんにも話そうと思う」
『そうか。でも、弥生の顔見たら昨日どうだったか分かるよ。」
「本当に?さすが、楓だね。とっても、良い日だったよ」
『ん、それ聞いて安心した。』
「ありがとう。楓には色々助けてもらってるから、本当に感謝してる。」