白緑蝶"vacances【続2】
私の背をポンポンと優しく叩く
香月さんの手。

「ヒワさん
 気になさらないでください
 
 汚れたり、壊れた場合は
 買い取れば済むだけのこと

 あなたはそんな事は気にせず
 堂々としていてください

 じゃないとせっかくこんなに
 も美しいのに魅力が半減して
 しまいます」

「美しいだなんて言われたの
 生まれて初めてで、何だか
 くすぐったい」

「じゃあ、もっと素敵な言葉を
 かけて差し上げましょう

 今夜のあなたを私は独り占め
 したい、誰にも渡したくない

 ご主人にお返しするのが
 悔やまれます」

真剣な表情で私を見つめ、そう
囁く香月さんは狩りをする男性
のように熱い眼差し・・・

獲物を狙う、瞳。

「またまたぁ
 
 カツキさんったら」
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