白緑蝶"vacances【続2】
「何、構いませんよ
 娘はもう支度は整っている
 
 さあ、ソラ君はまだいらして
 いないようだが、こちらで
 待たれるとよろしい」

「ヒワさん、行きましょう」

いつも自分のことをチヤホヤし
てくれる二人の男性が、この私
に夢中になる姿を見て、彼女は
きっと面白くなかったのだろう

「あなた、カツキ
 
 今すぐ来て話があるの」

そう強く香月さんを呼び止め彼
を私から引き離した。

『タマラと私は、離婚すること
 になるだろう』

そう、香月さんは話していたけ
れど、彼女は思ったよりも香月
さんの事を好きみたい。

だって、あの瞳は嫉妬を含む瞳

「さあ、どうぞ、こちらにかけ
 て待たれるとよろしい

 何か飲み物を持って来させよ
 う、ワインは飲めますか?」

「はい、頂きます」

「誰もいないな

 少し待っててください」
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