白緑蝶"vacances【続2】
ブラックストライプの
スリーピーススーツを着たソラ
の首元には赤紫色のスカーフ。

ホント、登場する姿まで完璧で
私のオシャレにかけた時間が
水の泡じゃない。

『貴方は
 私を見て驚いてくれる?』

全く、驚いてないみたい。

離れたあの場所からでも、私だ
ってすぐにバレちゃってるし。

『貴方は
 私を手放すのが惜しいと
 想ってくれる?』

私の方が、この豪華な家に溶け
込む貴公子みたいに、魅力的な
貴方を手放すこと心から惜しい
と思ってる。

「--------------」

ソラに見とれてる私の手を取り
まだ何かを話してる男性にソラ
は言う。

「She is my wife

 Savvy?」

-彼女は私の妻です
 
 おわかり?-

ソラがキッと冷たい視線で彼を
見つめそう告げると彼はさっさ
とどこかにいなくなった。

「ひわ・・・」

「切っちゃったの?」

私の手はソラの髪の襟足を指差
した。
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