白緑蝶"vacances【続2】
そう言うとタマラさんの
お父さんは私の手の甲に
キスをした。

「・・・してんじゃねえよ」

ぼそっと、ソラが呟いた。

「何?」

「何でもない」

辺り、ソラのことを見つめて
そわそわしている人達がいる。

何を話しているかは分からない
けれど、ところどころ
『ソレイロリア』『ソラ』って
言葉が聞こえてくる。

注目を浴びて、さっきの続きは
もうできない。

手を触れ合う事も・・・
ワインだって持ってるわけで。

さっきの貴方は私が一番望む事
をしてくれそうだったのに・・

「それより、ひわ
 
 大丈夫なのか?

 ここに居て・・・」

「どうして?」

「嫌だろう、彼女に会うの

 おまえが嫌なら一緒に・・」

「彼女になら、もう会ったよ」
< 140 / 471 >

この作品をシェア

pagetop