白緑蝶"vacances【続2】
「何か言ってたか?」

不安そうに問いかけるソラの声

「ううん、何も・・・
 
 お父様が一緒にいらしたから 
 だと思うけど、悪びれる様子
 も私に謝ることもなかった
 
 まあ、謝られたって私は一生
 許すつもりはないけど・・」

一生、許すつもりはない・・・

その言葉は、ソラの胸に重く
響いた。貴方の表情が曇る。
 
「彼女なんて、どうでもいい

 ただ、妻の私がパーティーに
 出席しないのはよくないって
 カツキさんに言われたの

 だから・・・」

「そうか、悪い
 
 それで、その格好・・・」

「ソラ、おまえこんなところに
 いたのかよ、勝手に車降りて
 ホント危ない奴だぜ
 
 探したんだぞ、それなのに
 ワインなんか飲んでお気楽
 だね

 ところでどうよ、すごい人だ
 けどヒワちゃんは見つかった
 
 
 あれっ、まさか、君は
 もしかして、ヒワちゃん?」

「はい、そうです」

「えー、マジ、うそだろう」

湊さんの大きな声が家中に
響き渡る。
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