白緑蝶"vacances【続2】
真澄の後方から昨夜のことなん
て何もなかったように私達の方
へと小走りで駆けて来るタマラ
さんの姿を私の瞳は捉え、私の
胸はさっきよりも苦しくなる。

苦しいのは、ここにソラがいて
私の脳裏に嫌でも昨夜の二人が
連想されるから・・・

私を抱くように、ソラは優しく
タマラさんを抱いた?

それとも、激しく・・・

気分悪い・・・

タマラさんの瞳に映るのはソラ
でもなければ香月さんでもない

テオさん、あなただけ・・・

私は、こんなに気分が悪いのに
タマラさんはあんなにニッコリ
と微笑んで純真な子供みたい

そんな顔したって、本当の
アナタは汚れてる。

アナタの本性を知ってるテオさ
んは絶対に、アナタを愛さない

疎まれるだけの存在なんて
笑っちゃう。

こんなことを想う私も、私から
ソラを奪ったアナタと同じぐら
い醜い・・・気分悪い。

こっちに来ないでよ。

来るな・・・
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