白緑蝶"vacances【続2】
私はテオさんの肩に両腕を回し
て彼に抱きついていた。

そしてこっそり耳元で囁くの。

小さな小さな声で

「これしかないの

 彼女を苦しめる方法
 ・・・」

「ヒワ、君は・・・?」

「お願い

 抱きしめて

 苦しいの・・・」

『苦しいの・・・』

その声だけはソラに届いてた。

テオさんは私が言うままに私
を抱きしめてくれた。

「これでいいの?」

私は、コクンと頷いた。

こんなことをしてもこの心が
晴れないことを私は知ってる。

タマラさんが私達を見て悲し
い表情を浮かべる一方でソラ
もきっと悲しんでる。

テオさんまで巻き込んで・・・

私はどうしようもない、バカ。

何が何なのかわからない
ソラは、抱きしめ合う二人
から目を逸した。
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