白緑蝶"vacances【続2】
空は、一人きりになって考えた
いことがあるのに招かれた家の
中を歩けばソレイロリアのソラ
だと知っている人々に声を掛け
られる。

空は疲れ、豪邸を出て家の前に
広がる砂浜に洋服が汚れること
も気にせず寝転がり、闇が支配
する空間で波の音だけを聞きな
がら真っ暗な空を眺めていた。

テオの肩に腕を回し、抱きつく
ひわの姿を思い出すと苦しい。

元々は、自分が巻いた種・・・

ひわをあんなにも追い詰めたの
は誰でもない、この・・・

「俺だ
 
 そのくせ、自分はさっさと
 逃げて・・・」

『苦しいの・・・』 

空は、上体を起こし砂浜に座り
込んだ。

「俺といたら

 おまえは苦しい?」

地面の砂を、手で強く握り締め
ては散蒔く、その行動を続ける
空。

「キャッ、Ouch!」

「悪りぃ」

「Sky、貴方なの?」
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