白緑蝶"vacances【続2】
「タマラ、おまえ
 
 そんな格好で何してる
 寒くないのか?」

ノースリーブ、胸元がVカット
に開かれた白いドレスは生地
も薄い。

「寒い?

 さあね、今の私は何も
 感じないわ
 
 テオの口から真実を聞いて
 衝撃が強すぎて・・・」

捲くりあげたスカート、裸足
の姿で砂浜を歩くタマラの足
がふらつく。

「ほらっ、危ないぞ」

「大丈夫・・・

 まさか、あのテオが、女に
 本気になるだなんて・・・

 これまでも確かに、テオには
 女性の恋人がいた事もあった
 けど、どれもこれも偽りの恋
 テオは本気じゃなかった

 テオが女に本気になることな
 ど、一生、有り得ないと思っ
 てた・・・

 それなのに、貴方の奥様には
 入れ揚げてるみたいね」

「何を言ってる?」
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