白緑蝶"vacances【続2】
「あんなに急いで、どこか
 いいんだかあの冴えない
 幼妻の・・・
 
 冴えない幼妻は、違うわね
 
 彼女は今日集まったどの女性
 よりも綺麗で、セクシー
 
 チャーミングな人だわ」

タマラに微笑みかける、テオ。

「素直に負けを認めるのか?」

「ええ、認めるわよ
 
 テオ、貴方が彼女に
 惹かれるのも分かる

 貴方は彼女のこと、本気
 なんでしょう、いいの?」

不安気なタマラの問いかけに
テオは空と同じく、片方の眉
だけを上げてみせた。

「僕?

 女には懲りてる」

タマラは微笑む。

「そう・・・

 だけど、彼女、娘には
 敵わないわけね」

「ユラは、ヒワの事だよ

 ソラが昔、ヒワにそう
 名付け

 愛を捧げ、寵愛した
 
 僕達、仲間の間じゃ
 有名な話だ・・・」
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