白緑蝶"vacances【続2】
もしもの場合でも、もっと厳重
に警備がされてソラ達の全ては
あらゆる面で守られている。

ここには、それはない。

タマラさんの、お父様の独断で
この場は進行してる。

早く

この時が終わればいいのに・・

ソラを、私に返して。

私のソラを・・・

「ソラ君、君から何か話して
 頂けませんか?

 今日、ここに集まって頂いた
 お客様はもちろん、こちらに
 住むファンの皆様に向け

 さあ、メッセージをどうぞ?
 
 皆、君の声を聞きたいはず」

マイクを渡されたソラは、一言
だけ述べる。

「Thank You.」

それだけ言ってマイクを下ろし
ちゃう、ソラ。

愛想なく笑いもしない、ソラに
場内はシーンとなる。

挨拶もなければこの場に招待さ
れ紹介される事を喜ぶ声もない

その態度にざわめきが起こる。

「それだけ・・・?
 メンバーの皆さんも何か?」

「・・・・・・・」

慌てながらもその場を何とか
仕切る、タマラさんのお父様。
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