白緑蝶"vacances【続2】
ここにいる全ての人が、ソラに
注目してる。

みんなから溢れる、あの笑顔は
本物だって私にもわかるよ。

みんなの瞳が輝いている。

そんな私の視線の先に、タマラ
さんの姿が映る。

『Sky、ありがとう』

このステージは、タマラさんの
ため(正確には、彼女の父)。

『早く

 この時が終わればいいのに』

私は隣に立つ、真澄の手を
そっと握る。

「どうした?」

「帰りたい

 今すぐ、帰りたいの」

泣き出しそうな私の額に真澄は
指先でコツンと弾いてみせた。

「何、不安になってんだよ
 
 あいつ、ソラは
 誰のものでもない
 
 おまえのもんじゃん」

真澄は満面の笑みでそう言う。
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