白緑蝶"vacances【続2】

恋愛事情

翌朝、私は、また百枝の部屋に
居た。

百枝は化粧を済ませ着替えてい
る最中で、ドアの向こうから声
だけが聞こえてくる。

「そうよ、彼に会うの」

「会うって、時間は?
 
 何時に会うの
 知ってるの?」

「さあ?

 だからこうして早くから
 準備してるんじゃないの」

投げやりな百枝の声だけが私の
耳につき彼女の表情は見えない

「行かなきゃダメなの?」

「さあ、わかんないけど・・」

淡いピンク色の洋服に着替えた
百枝が部屋から出てきた。

わからないという、その言葉は
彼女の本当の気持ち。

「けど?」

「行くと言った以上、行くわ」
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