白緑蝶"vacances【続2】
「ああ、そうだね 
 
 ソラにも、まだ話して
 なかったね

 さっきね・・・
 そういうことになったの」

話を聞いたソラは、お姉ちゃん
と私が出した結論が間違った
ものではないかと、もう一度
聞き返してくれた。

「いいのか、それで?
 
 おまえも、お姉ちゃんも
 本当にあの店が無くなっても
 笑っていられるのか?
 
 大事にしてただろう?
 
 店は、もちろん
 花屋の仕事だって・・・」

「うん、大事だよ

 おねえちゃんにとっても
 私にとっても、花屋さんは
 特別
 
 かけがえのないものだよ」

結婚した後も、出産した後も
従業員からバイトになっても
花屋で働くことを辞めずに
いたのは、あの場所が
あの空間が大好きだから。

鼻につく香りを煩わしいと思っ
た時もあったけど、今では
その花々の思い思いの香り
に惹きつけられ心が和むのも
確か。
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