白緑蝶"vacances【続2】
「そう、あの場所には思い出が
 いっぱい詰まってる

 できることなら・・・」

私は、唇を噛み締めた。

「だったら、手放したりしちゃ
 ダメだよ

 絶対、後悔するよ
 
 何とかならないの、従業員を
 増やすとか?」

咲の言葉に続く、瀬名さんの声

「失礼かもしれないけど金銭面
 の事とか、何か続けることに
 支障をきたしてる問題がある
 のだとしたら、この俺にも
 話してくれないか?

 何か、力になれることがある
 と思うよ」

「ひわ、そうなのか?」

心配そうな、ソラ。

「ううん、違うの
 セナさん、ありがとう
 
 お店の経営なら順調だよ
 
 雇おうと思えばバイトだって
 ・・・

 だけど、人に委ねてまで大好
 きな自分のお店を維持させる
 ことを、今のおねえちゃんは
 望んでない」
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