白緑蝶"vacances【続2】
「でしょうねえ

 マスミさんは私が知ってる
 こと知らないんだもの・・」

「知ってるって何を?」

両手を出して甥っ子を抱かせ
てとアピールする真澄に背を
向ける、百枝。

「おいっ、かせよ

 抱かせろ」


カランカラン


「いらっしゃいませ」

「はいはい
 お客様の邪魔しない

 喧嘩は奥でお願いします」

お姉ちゃんの言葉に二人は
奥の部屋へと入って行く。

「お二人さん
 相変わらずねえ?」

「うん
 
 でも、どうせすぐ
 仲直りするよ」

微かに聞こえてきた、二人の
喧嘩の理由は、どうやら真澄
が女の子と昨夜、歩いていた
らしく、百枝は妬きもちを妬
いてるみたい。

「会社の同僚だ
 関係ねえよ
 他にも居ただろう?」

「居たよ

 だけど・・・
 
 あんなに女の子と寄り添って
 歩くことないよね?

 仲良さそうだった」

「はあ?」

百枝の妬きもちは、いったい
これで何度目だろう?

そんなに、真澄のことが
好きなんだね。
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