白緑蝶"vacances【続2】
そう、あの日・・・

海外旅行から戻った、翌々日。

咲の家で真澄との喧嘩の原因を
聞いてほしいと言いながら

百枝ったら、話さずにずっと
泣いてたっけ・・・

重い口を開いた百枝は、自信の
ない表情を浮かべてた。

そう、百枝はずっとあることに
囚われている。

「マスミさんが、私とのことを
 避けるのはきっと今もヒワの
 ことが好きだからだと思うの

 それとも、私って、やっぱり
 女として魅力ないのかなぁ~

 ・・・」

たくさんの男子を手玉にとって
あんなに自信に満ち足りていた
頃の百枝が嘘のように、彼女は
膝を抱えてる。

「モモ、そんなに急ぐこと
 ないんじゃないかなぁ」

咲の言葉に耳を傾ける、百枝。

「結ばれるのは
 ゆっくりでいいと思うよ

 彼に任せれば
 
 モモのことが好きなら
 求めてくるっしょ」

「マスミさん、私のこと
 本当に好きなのかな?」

「好きだから、モモのこと大事
 にしたいんじゃないかなぁ
 
 断るの
 
 男にも勇気いると思うよ」

そう、喧嘩の原因は真澄と一秒
でも早く、ひとつになりたいと
願った百枝の想いを旅先で真澄
が拒絶したこと・・・
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