白緑蝶"vacances【続2】
ロサンゼルス、サンタモニカ

口づけを交わす、男女・・・

耳元、囁いた女の声に聞こえ
ないフリをする、男。

「本気だよ、私・・・」

「悪い・・・

 そんな簡単にできねえわ
 
 行こう、みんなが待ってる」

こうして、手を繋いでいても
寂しさが百枝を縛る。

人を愛し、想いが通じ合えば
深く愛し合いたくなるのは必然

当たり前のことだけど、百枝は
前夫に拒絶され続けた経験が
トラウマとなり、繋がり合えな
ければ関係は終わる、終わって
しまうと、そう強く想っている

それは呪縛のように彼女を縛る
想い。

百枝にしか、わからない想い。

彼女の心に広がる深い闇。

そんな百枝のことを今まで出会
った男達は簡単に手に入る安い
女だと思っただろう。

でも、百枝にとっては、真剣。
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