白緑蝶"vacances【続2】
「マスミは、もう自分の思いの
 ままに無闇に人を傷つけたり
 しない」
 
そう、私は信じてる。



カランカラン・・・


「ねっ、おねえちゃん
 
 私が言ったとおりになった
 でしょう?」

お店のドアから顔を出して街並
みを歩いて行く、二人の後姿を
私と姉は見つめてる。

二人は寄り添い振り返り、私達
に手を振る。

「さあ、依澄を預かってもらえ
 たからには、ママはどんどん
 働きますよ

 ヒワ、少し休んでなさい」

「ううん、いい
 
 大丈夫」


カランカラン


「い(らっしゃいませ)

 何、カッちゃん
 どうしたの?」

「こんな時間に下りてくる
 なんて珍しい」

「イズミは、奥?
 寝てるのか?

 パパだよ」

「カッちゃん、残念でした

 イズミなら弟君とその彼女
 が今し方、連れて行きまし
 たよ」

「マジ?マスミのやつ」

かっちゃんの背中を押しながら
お姉ちゃんは言う。

「さあ、貴方 

 お仕事に戻って下さい」


カランカラン・・・
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