白緑蝶"vacances【続2】
「いいんですよ
 私が押しかけたのが悪い

 それにしても、ご立派な
 お家ですねぇ~」

ドタッ・・・

玄関先、ソラが立てかけた
トランクが倒れる音がする。

「なあ、何でここに居るのか
 聞いてんだけど・・・」

あ~あ、怒ってる。

仕方ないか、疲れてるんだし
・・・

「あのね、これには・・・」

「ヒワさん、その事でしたら
 私が説明します

 ヒワさんの義兄様のお店の
 味、いえっ新しいメニュー
 でいいのですが我社の新店
 舗に提供して頂ければと
 思いまして、お話に伺った
 次第です

 それにしても、一階の花屋
 さんがなくなっていて本当
 驚きましたよ

 もっと驚いたのは赤ちゃん
 が・・・おめでたいことで
 何よりです」

「びっくりしたでしょう?」

「はい、もう」

その後は、旅先から帰国した
ばかりで不機嫌なソラを私は
放置して、香月さんと楽しい
会話を弾ませる。

彼の話は楽しくて、本当飽き
ることないよ。

仕方なく、お酒を飲みながら
話を聞いていた、ソラが口を
開いた。

「なあ、あいつ、タマラは?」

ドキッ・・・

聞くかな、普通・・・
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