白緑蝶"vacances【続2】
私の腕を掴む手に、力を込める
ソラ。

「ソラッ、痛いよ」

貴方は背を屈めて私の顔を覗き
込み長くて細い人差し指を立て
私の目の前に指した。

そして、ギロッと鋭い瞳で私の
ことを睨みつけてる。

「なっ

 なによ」

「俺が妬いてる相手、間違えて
 んなよ

 どう考えても、おまえだろ?

 急いで帰って来て見れば男と
 いるかぁ、普通?

 しかも旦那の留守中に、家に
 男あげて何してんの?

 なあ、俺の留守中に何度も
 カツキと会ってんじゃねえの
 二人っきりで、どうなの?」

「あっ、会ってないよ

 今日、健診の帰りにカッちゃ
 んから携帯に連絡をもらって

 カッちゃんのお店に行って
 そこでカツキさんに会った
 だけ

 あの店で義兄が働いてること
 旅先で、カツキさんに話して
 あったから・・・

 それに私、妊婦だよ
 
 浮気なんてしないよ」
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