白緑蝶"vacances【続2】
走り出す車内から、ソラ達の
方向を見つめるのは真澄。

「あそこ
 ソレイロリアの連中が
 何やら集まってるぜ」

「本当
 何話してるんだろうね」

「さあな、あ~、疲れたけど
 いい式だったな」

「うん」

「三人で幸せになろうな?」

「うん」

「うん」
 
今宵の主役、花嫁と花婿は
夜空の向こうへと消えて行く。

「タカシ
 おまえ、空気よめよな」

崇さんの言葉で、ソラは現実に
引き戻されてしまったようで

真っ黒な雲がソラの頭上にだけ
現れたように、ドーンと暗くな
っている。

「あ~
 思いだしちゃったぜ
 
 マジ憂鬱」

そう、今のソラには自由になる
時間なんて本当は無かったの
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