白緑蝶"vacances【続2】
ベビーカー・バギーに眠ってい
るトワを乗せてブランケットを
かけてあげる私に聞こえる声。

「なあ、ところで、テオ
 
 おまえは帰らないのか?」

「ああ、僕?
 
 僕のことなら気にしないで
 
 二人の邪魔はしないから
 
 もちろん作曲の邪魔もね」

私とソラは、顔を見合わせる。

「テオ、まさか、俺の家に
 泊まる気じゃねえよな?

 なあ?」

「えっ、泊まる気だよ

 急に出てきたからホテル
 どこも取れなくてさ

 いいよね?

 ダメだった?」

今日はクリスマスだもの
取れるわけないよね・・・

「ううん、ダメじゃないよ」

「ひわ、おまえ・・・」

仕方ないでしょう、寒空の下に
テオさんを置いてはおけない。

「テオさん、一緒に帰ろう」

「うん

 ユラちゃん眠たいの?
 抱っこしてあげようか」

ゆらを抱き上げる、テオさん。

「さあ、帰ろう
 
 確か、こっちだよね?」
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