白緑蝶"vacances【続2】
「パパ、はなしてぇ~」

「一緒に入ろ?」

貴方は、ゆらと顔を見合わせる

小さな娘を、穴があくほど熱い
眼差しで見つめてる。

ソラの顔を、小さな手で作った
じゃんけんのパーで隠すのは
ゆら。

「だめぇー」

小さな手、その指の隙間から
ソラは私を見た。

「駄目です」

閉められた脱衣所の扉。

ソラは、もういないだろうと
思ったら、洋服を脱ぐ私に
聞こえる音。


トン

トントン

トントントン


「フフフッ」

そう、この音は

あなたとわたし

二人だけが知っている

二人だけの合図。

『ユラ・・・』
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