白緑蝶"vacances【続2】
部屋の中は、ライトが消されて
真っ暗。

「ソラ、明かり・・・」

見つめ合う瞳

私の胸、ドキドキがやまない。

苦しすぎてソラから視線を逸ら
したい。

貴方は銜えていた煙草を唇から
離し、煙を深く吐く。

「ソラ、会えてうれ(しい)
 
 ・・・」

「脱げよ」

私の声をかき消す、貴方の深く
低いその声は、ボソッと言葉を
語る。

「抱いてやる」

そう、呪文のように。

この耳に心地よい。

ソラは私を見つめ、指図する。

その瞳は、氷のように冷たい。

その瞳、その声に、私は従わず
にはいられない。

待ちに待ったソラからの連絡を
受けて、私は急いでこの場所に
来た。
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