白緑蝶"vacances【続2】
私に覆いかぶさる貴方はシャツ
を纏ったまま、ベルトに、その
美しく、綺麗な手をかけた。

愛、交わる・・・

ううん

ただ、交わってるだけで

そこに、愛なんてない。

あるのは、一方的な愛だけ。

一方通行の想いは、この私を
苦しめ続ける。

「・・・アッ・・・」

今夜みたいに、肌の温もりさえ
感じることのできない日もある

刻まれるのは、悲しみ。

最後に残るのは、虚しさ。

だけど、私は願う。

貴方の唇が私の左腕、その醜い
傷跡に優しく触れる、今この時

私の、時を止めてほしい

そう、願う。

だけど、時は流れる・・・

脱いだ服を集めて、私は浴室へ

ザーーーー
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