白緑蝶"vacances【続2】
友達に自慢できる男。

本当の俺なんて見る必要なし。

ステージに立つ、俺が必要。

それが全て。


卯月・・・

おまえが泣いても、俺はなんて
事ない。


俺は俺の足元に集まる群衆の波
を見つめながらステージの中央
に立つ。

女のように長い髪を翻し、俺は
無我夢中で歌いそして自分自身
に酔いしれる。

俺の居場所に立ち、観客が
ウットリとする様を見つめ
愛の歌を口ずさむ。

自己愛しか知らないくせに自分
で作詞した愛の言葉を歌う。

そんな俺の瞳に、おまえが映る

おまえは、泣いてる?

俺の胸に宿る、想い・・・

泣かないで・・・

俺は、愛をこめて歌う。

俺は、愛を知る。
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