白緑蝶"vacances【続2】
瀬名の言葉に、みんなが頷く中
ポツリと卯月は言う。

「そうかなぁ・・・」

「ウズキ、どうした?」

「私は、ソラさん
 
 貴方の、愛の歌になんか
 感動したりしない

 人を本気で愛したこともない
 貴方に、愛の歌なんて歌う
 資格ない」

卯月の言葉に、辺りはシーンと
なる。

「ウズキ
 おまえ飲みすぎだ

 送るから、帰ろう」

「うん
 
 気分を害させて
 ごめんなさい」

「ソラ、ウズキを送ったら
 すぐに戻る」

「ああ」

瀬名に肩を抱かれ卯月は帰って
行く。

その背中をグラスを持ったまま
ボーッと見つめている俺の肩を
叩くのは、湊。
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