白緑蝶"vacances【続2】
「何、その言い方ひどい・・」

私は、途中で放棄された裸の体
を冷たいシーツに繰るんだ。

私の言葉なんて無視して貴方は
冷めた風に煙草を銜える。

何か、ムカつく・・・

「三日前、このホテルで私と
 偶然会ったでしょう、ソラ
 覚えてるわよね?」

「フー、さあ?」

貴方が深く吐いた白い煙は天井
に浮かび、そして消える。

「目が、合ったでしょう?」

「さあな、忘れた
 
 ほんとに、俺?」

「ソラだったよ」

貴方は、煙草を吸う。

「だから、ソラだよ」

私はきつい声で、もう一度そう
言った。

「だったら、何?

 おまえに関係あんの?

 俺がホテルに居ようが居まい
 が、おまえには関係ない」
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