白緑蝶"vacances【続2】
妬きもちさえ妬かせてくれない

悲しい・・・

だけど、私は泣いたりしない。

泣かないのは決して悔しいから
じゃない。

貴方の前で泣いてしまったら

貴方には、もう二度と逢えない
と思うから・・・

きっと、連絡してくれなくなる

面倒な女に、用はない。

今日の私は、面倒な女だよね?

途切れていた着信音が、また
聞こえる。

「ソラ、携帯・・・」

「知ってる

 黙れよ」

貴方は、私の洋服、ワンピース
の裾を掴むと捲り上げた。

何?

「えっ、やめて」

「・・・・・・」

貴方は黙ったまま、手だけは
止まらない。
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