白緑蝶"vacances【続2】
「ちょっと、ソラ

 ちょっと

 ねえ、携帯鳴ってるし
 待ってるよ」

「待たせておけばいい」

そんな、本気なの?

貴方は、露になる私の胸元に
優しく触れて・・・

「ねえ、ソラ
 やめて、やめようよ

 今日の私の態度に
 怒ってるならごめんなさい

 謝るから・・・」

「おまえ、謝るようなこと
 したのか?」

「ううん、してない」

「だったら、謝るな

 俺は、ただ・・・」

「ただ、何?」

「おまえが、ほしい」

おまえがほしい・・・

その言葉は

『おまえが、好きだ

 おまえに、会いたかった

 おまえを、愛してる』

そんな言葉には全然届かない
けどほしかった言葉のひとつ
だった。
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