白緑蝶"vacances【続2】
私は、抵抗することをやめ貴方
にこの身を捧げる。

ただ、ひとつだけ・・・

「ねえ、ソラも脱いで?」

「ああ」

肌と肌の温もり・・・

愛、交わる。

「ユラ

 連絡する、じゃあな」

バタン・・・

このドアが閉まる音に慣れる事
はない。

だけど今宵、眠れないのは悲し
くて堪らないからじゃない。

ソラの着信音がずっと耳につい
て離れないから。

今頃、貴方は違う女性と・・・

そんな想いも、今夜はその音が
かき消してくれる。

私は眠れず、何時間も空を見つ
めてる。

あの空に、浮かぶ月・・・

私の瞳に移る月は、今宵の私の
気持ちに沿い満ち足り欠けたり
する。

そして、朝になり目覚めると姿
は消え、存在を忘れられる。
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