白緑蝶"vacances【続2】
「あれぇ
 
 あれなら知らない

 忘れた」

「知らない、忘れただと
 おまえな
 
 思い出せ
 ほらっ、思い出せよ」

「いつの話だよ

 もう、無効だ」

ソラは、しつこい真澄の傍から
退散する。

「ソラ、てめー」

「マスミ、もうやめろ
 
 おまえだって
 今まで忘れてたくせに」

「まあな・・・」

かっちゃんに言われて、真澄は
仕方なく諦めたようだった。

「ヒワ、ねえ、そのブーケ
 投げてくれないの?」

そう、急かすのは、百枝。

「何、モモ、まさか
 狙ってるの?」

「サキも?」

「えっ、私は別にいいよ
 結婚は考えてないから」
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