白緑蝶"vacances【続2】
「ゆらが途中まで走って
 そう、あの白線
 
 あそこから、ソラに
 おんぶしてもらうから
 
 ゆらにパパだってわかる
 ようにね」

「ふうーん

 ロッカーも、今は

 パパなのだ」

「あっ、ソラがこっち見た」

「ソラー」

私は、両手を大きく掲げ
左右に降ってみせた。

「ソラー」

「来てやったぞ」

「狙うは、一等だぜ」

みんなで叫ぶと、ソラは
マジかよーって頭を抱えた。

パン・・・

空砲の音で競技が始まった中
瀬名さんがぼそっと言う。

「俺には真似できないな
 
 ソラのやつ、よくやるよ」

「何言ってるの
 ちゃんと見ててよ

 パパ?」
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