白緑蝶"vacances【続2】

大好きなあの子

楽しい時間は過ぎ、私達は
家へと帰る。

その、帰り道・・・

瀬名の運転する姿を見つめてる
咲。

「サキ、どうかしたのか?」

「ううん

 ちょっと昔を思い出したの」

「昔・・・」

「正直に話すね

 今日のソラさんと同じような
 光景、私以前見たことが
 あるの」

「彼?」

「そう、高校の体育祭でね
 
 一等を取った彼が、私を見て
 ああやって、ガッツポーズを
 
 ・・・ごめんなさい」

咲の瞳に溢れる涙・・・

その涙を拭う、瀬名の指先。

「謝ることないさ
 
 言っただろう
 
 俺は彼を愛する君ごと
 愛してるんだ

 今度、一緒にお墓参り行こう
 君の近況を知らせにね」
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