白緑蝶"vacances【続2】
同性の、しかも年下の女の子に
あんなに慕ってもらえるだなん
て思ってなかったな。

顔出しがNGなのは、処女作の
件があるから、公表して色々と
言われるのは正直、しんどい。

だけど、今まで避けてきたけど
こういう取材ぐらいは受けても
いいかも・・・

いろんな、今、流行りのことが
知れて小説の物語のちょっとし
たヒントになりそう。

そう思いながら、歩く私の事を
呼び止める声が聞こえた。

「あの、君、君って確か
 ユラの友達?

 俺のこと、わかる?」

私が、その顔を知らないわけが
ない。

「ええ、もちろん
 
 セナさんも、雑誌の取材
 ですか?」

「って、君も取材だったの?
 
 ああ、君は確か
 人気小説家さんだったね?」

「人気は、いらないかな」

「そう・・・

 この間、その大丈夫だった?
 泣いてたみたいだけど」
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