【 照れ屋さん。 】
「お前…、西中のテニス部の…。」
「あ…、どうも。」
思い出した。
この人、南中の男子テニス部の
海野 旬くんだ。
だから、どっかで見た気がしたんだ。
「お前もこの高校だったんだ。」
「あ、うん。あなたもだったんだ。
しかも、同じクラスだね」
「だな。俺のことは、旬でいーよ。
お前確か名前は…、くるみ…だっけ?」
びっくりした。
話したことなんかなかったのに
名前を覚えてるんだもん。
旬くんは、大会でも上位に
あがってたから有名人…。
あたしは、予選落ちみたいな
感じだから有名人なわけがない。
「うん。くるみでいーよ!」
ニコッと笑うと、旬くんも
ニコッと笑ってくれた。
「じゃあ、くるみな!よろしく!」
意外と優しい人で
安心した~。
「ちょっとちょっと!知り合い?」
実梨ちゃんが小声で
言ってきた。