【 照れ屋さん。 】
「うん。部活関係でちょっとね」
あたしも思わず小声になって
旬くんに聞こえないように言った。
「まじ?めっちゃイケメンじゃん!
ねぇ、紹介して!」
興奮気味に実梨が言うのを
あとでねっと抑えてチラッと
後ろの方にいる渉を見た。
渉も楽しそうに隣の子と
話してた。よかったな。と純粋に
思って、前に視線を戻す。
時計を見ると、9時を差していた。
もう始まる時間だ。
『静粛願います。
ただいまより、
平成24年度青蘭学園高等学校入学式を
はじめます。一同、起立。』
あたし達は戸惑いながら
ゆっくりたった。
それから、入学式が始まって
無事に終わり、各クラスに移動となった。
教室の黒板には、在校生が
書いたであろう『入学おめでとう』
の文字が書いてあって、
まるであたし達のことを優しく
歓迎してくれてるかのようだった。