天空のアルカディア
エトルリア王宮
城には見えるものの、煌びやかな装飾や華やかな造りではない
エトルリア王族の理念は質素倹約
城も言ってしまえば要塞に近いものだった
エトルリア王宮は極めて深刻な空気を漂わせていた
現国王、アーサー・キャルロットは元々虚弱体質だったのだが、ここ最近は更に酷く、床に伏せていた
医師の見立てでは数日持たないと…
アーサーには2人の娘がいるが、息子はいない
世継ぎがいないのだ
王がいなければ国は不安定になり、他国に攻められる事は当然
元老院(政務に携わる貴族達)の頭目、ハンス・バーンと将軍3名は頭を悩ませていた
「陛下は数日と持たないそうだ…」
「王が不在となれば軍の士気は下がる」
「他国、もとい(バルト)のいい餌ではないか」
仮にも将軍職につく3人は情けない言葉を紡ぐ
「悲観ばかりされるな、まだわしらにはマリア様、アリス様が居られる」
初老のハンスは3人の目を見ながら諭す
「だが、あの御二方は女子だぞ!」
「いや、貴族の優秀な男子を婿入りさせればあるいは…」
「おぉ!その手がありましたな!ハンス殿、めぼしい者の選出をお願いします」
ハンスは勝手に話を進め、盛り上がる将軍達を無言で睨みつけた
ごくっ
老いてはいるが、迫力のある眼光に将軍達は怯む
「御三方、勘違いなされておらぬか?議会などは御三方、我々元老院、王の賛否で決めてはおりますが…」
ドンッ
ハンスは机を叩き、立ち上がった
「王族は我等の物ではない!!」
ハンスの言葉に臆し、気まずそうに目線を泳がせる
(なんと情けない…戦争が終わり100余年、将軍達がこれでは…)
ハンスは心の中で国の未来を心配した
城には見えるものの、煌びやかな装飾や華やかな造りではない
エトルリア王族の理念は質素倹約
城も言ってしまえば要塞に近いものだった
エトルリア王宮は極めて深刻な空気を漂わせていた
現国王、アーサー・キャルロットは元々虚弱体質だったのだが、ここ最近は更に酷く、床に伏せていた
医師の見立てでは数日持たないと…
アーサーには2人の娘がいるが、息子はいない
世継ぎがいないのだ
王がいなければ国は不安定になり、他国に攻められる事は当然
元老院(政務に携わる貴族達)の頭目、ハンス・バーンと将軍3名は頭を悩ませていた
「陛下は数日と持たないそうだ…」
「王が不在となれば軍の士気は下がる」
「他国、もとい(バルト)のいい餌ではないか」
仮にも将軍職につく3人は情けない言葉を紡ぐ
「悲観ばかりされるな、まだわしらにはマリア様、アリス様が居られる」
初老のハンスは3人の目を見ながら諭す
「だが、あの御二方は女子だぞ!」
「いや、貴族の優秀な男子を婿入りさせればあるいは…」
「おぉ!その手がありましたな!ハンス殿、めぼしい者の選出をお願いします」
ハンスは勝手に話を進め、盛り上がる将軍達を無言で睨みつけた
ごくっ
老いてはいるが、迫力のある眼光に将軍達は怯む
「御三方、勘違いなされておらぬか?議会などは御三方、我々元老院、王の賛否で決めてはおりますが…」
ドンッ
ハンスは机を叩き、立ち上がった
「王族は我等の物ではない!!」
ハンスの言葉に臆し、気まずそうに目線を泳がせる
(なんと情けない…戦争が終わり100余年、将軍達がこれでは…)
ハンスは心の中で国の未来を心配した