年下のあいつ。


ブロックをよせつけない大きな弧を
描いたボールはそのまま
シュパンッときれいな音を立てて
吸い込まれた。




「うそ…」



一瞬時が止まったかのように思えた。



これまで色んな選手の
色んなプレーを見てきたが
こんなに見入るプレーは初めてだった。



団体競技だけど山下君ばかりを
追ってしまう。
まるで個人競技だ。




ブレのないドリブル。
息のきれないラン。
どこまでも伸びるジャンプ。
そして神がかったシュート。



全てが新しく新鮮で力強い。



< 33 / 237 >

この作品をシェア

pagetop