Do you love me…?
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次の日、悟ときららさんは午前中から出掛けていった。
悟が町を案内するのだそうだ。
うちも行ったらどうかとお父さんにも悟にも勧められたけれど、せっかくのきららさんと悟とのデートを邪魔するわけにはいかなかった。
悔しいけど、きららさんにはいつもよくしてもらってるんだから、今日は我慢だ。
部屋にこもって、宿題をひろげる。
「はぁ…」
ノートをひろげてはみたものの、ひろがるのはうちの悪い妄想ばかり。
手とかつないでるんだろうか?
二人きりでご飯を食べたり、お茶をしたりするんだろうか?
不安でいっぱいになる。
「うーーーーっ。」
奇声をあげて机につっぷした。
(カッコ悪いな、うち。)
開けていた窓から春の風が吹く。
(可愛くなりたいな)
髪の毛を指でくるりとまわす。
鏡の前に立って、悟に見せられるような一番の笑顔をしてみた。
悟のために可愛くなろうと思った。
(髪のアレンジ、練習しようかな。)
久しぶりにわくわくしている自分がいた。