リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
「…何かいきなり、アンタを味わいたくなっちゃった」

「お前なあ…」

メガネごしの眼は少し赤くなっていて、ちょっと可愛いと思ってしまう。

「でも、変わったよな」

「へっ?」

突然彼はおかしなことを言い出した。

「変わっているのは今更だろう?」

「まあそうだけどさ」

彼は改めてわたしを見つめる。

「恋人になってから、結構甘えるようになったというか、大胆になったというか。スキンシップをよくしてくるようになった」

「…だって恋人なら、そうするものだろう?」

「だな。でもいきなり変わったからさ。驚いてた」

「でも別に女の子らしくはなっていない」

「そんなのはお前に求めちゃいないから、良いんだって」

彼は楽しそうに言う。

…けど何かわたしは複雑な気持ちになる。

「前にも言ったけど、別に女の子らしいお前を期待しているワケじゃないんだ。だけど恋人らしくなったことは、素直に嬉しく感じている」
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