リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
そういうものかな?

わたしは無意識に、恋人にはキスしたり甘えたりするものだと思っていたから、そういう行為をしてきた。

彼は一度も拒絶しなかったし、したいと思ったことをしたわたしは素直に満足してたし。

恋人になってから、彼とはキスしたい、触れていたいと思うようになった。

それは恋人なら当たり前だと……って、アレ?

…こういうのって、彼に夢中になっているってこと?

「むむむ…」

「今度は何だ?」

「確かに甘えるようになったとは思うが、気持ちが甘くないと言うか…」

「…前から聞こうと思っていたんだけどさ」

「何だ?」

「お前の中の恋人って、どんな感じなんだよ?」

聞かれて、首を傾げる。

「そりゃあイチャイチャ、ベタベタとするもんじゃないのか?」

「それは一部のバカップルと言われる存在だ」

彼は呆れた表情を浮かべ、ため息を吐く。

「別に俺達がそうなることはないだろう? 俺達は俺達の恋人であれば良いんだから」
< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop