リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
「なっ何でだ?」

「だってわたし、冷めた性格しているから、恋人になったって甘い関係にはならないと思う。それこそ今のような関係のまま、続いていくだけなら、恋人になるだけムダじゃない?」

思ったことを容赦なく言うと、彼が深く傷付く音が聞こえた。

けれど何一つ、嘘は言っていない。

関係名を変えたところで、中身が変わらないのならば、わざわざ変えることもないと思う。

「でっでも俺は別に、お前に変わってもらおうなんて思っていない。そのままのお前が良いんだから!」

「…あっ、そう」

こんな女を良いと思うなんて、彼の女性趣味は悪い。

「だからその、イヤじゃなかったら…恋人になってほしいんだ」

「むう…」

わたしは腕を組み、考える。

確かに彼とは長い付き合いがあるせいか、一緒にいて苦にはならない。

まあ心トキメクことがないと言えば、やっぱり親愛程度なのかもしれないけど…。

…ここは一つ、確かめてみる必要があるな。
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