リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
そう思ったわたしは移動し、彼の正面に座った。

「なっ何だ?」

そして彼のメガネを外して、薄く開いた唇にキスをした。

「っ!? んなっ!」

彼の目が白黒するのを見て、わたしは首を傾げた。

「ん~まあキスもイヤじゃないし、とりあえず良いよ。恋人になる」

「どっどういう確認の仕方だっ!」

真っ赤な顔で怒鳴りながらも、彼は抱き着いてくる。

彼の背に手を回しながら、やっぱりイヤだと感じなかったことに気付いた。



だから思う。

彼以外の男とキスしたり、抱き締めあったりするのを考えただけで、鳥肌が立つ。

けれど彼とは平気。

だから彼のことを、少なくとも好意は持っている。

…でもそれが愛情なのかと問われれば、首が曲がるのだから、しょーもない。

「じゃあ材料を買って行くかな」

「…俺に内緒で作るとか、してくれないのか?」

「面倒だ。せっかく来ているんだし、ここで買っていこう」
< 4 / 12 >

この作品をシェア

pagetop