リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
バレンタイン当日。

学校が終わると、わたしの部屋に来てもらった。

「とりあえず、リクエスト通りにラムレーズン入りのチョコレートケーキを作った」

「あっありがとう。嬉しいんだが…何だか大きくないか?」

彼がラムレーズン入りのチョコレートケーキを食べたいと言うので、最初はカットケーキが2個入るぐらいの箱やラッピングを買っていた。

「ウチの母が、わたしがアンタにケーキを作ることを知って、本格的なケーキ作り用の材料を買ってきたんだ」

彼が手作りが良いと言うので、手作りチョコ特集の本を買って、リビングで読んでいたら母に見つかり、問い詰められてしまった。

ちなみに母もわたしの冷静さには呆れを感じているらしく、彼と恋人になったことを一番に喜んだ人だった。

「おばさん、こういうの、好きだもんな」

流石に彼の笑みも引きつっている。

そりゃそうだろう。

何せケーキのサイズは30センチの10号サイズだ。
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