平成大泥棒!~宝を求めて数百年?!
1章"はじまり"
*
「必ずヤツを探し出せ!そう遠くには行っとらん!」
満月の光が綺麗に城下町を照らす中、灯りと刀を携える先導を切った武士の声が響く。数人の武士の足音を耳にしながら、寝癖のような無造作の髪の男は長屋の屋根に寝転がっていた。暫くして足音が遠くなれば、屋根から飛び降り馴染みの神社へと走り出す。この位置、男の脚力を考えれば10分もかからない。高笑いしたくなる気持ちを必死に押さえていた。
「お、戻ってきたな。少し時間がかかったか?」
仲間らしき人間が話し掛けると、石川五右衛門は笑みを浮かべながら言い返した。
「バーカ、遊んでたんだよ。普通に盗んで何が面白い?今頃、太閤サマは腸(はらわた)煮えくり返ってるぜ。」
「で?例の秘図は?」
「急かすな、ここにあるっつの。」
五右衛門が懐から取り出した紙を見て仲間の男が感心するなか、五右衛門は疲れた表情で井戸へと歩きだす。
「お、おい。」
「喉が渇いたんだ。別に驚く事はねぇだろ…」
「捕物だ!」
「?!…ちっ、見つかったか!」
先程の武士が戻ってきたのを見つけたのか、焦りだした仲間を他所に、五右衛門はやり過ごす方法を練っていた。
「ここしかねぇか…」
「お、おい!五右衛門!」
五右衛門は躊躇いなく井戸へと飛び込んだー
「必ずヤツを探し出せ!そう遠くには行っとらん!」
満月の光が綺麗に城下町を照らす中、灯りと刀を携える先導を切った武士の声が響く。数人の武士の足音を耳にしながら、寝癖のような無造作の髪の男は長屋の屋根に寝転がっていた。暫くして足音が遠くなれば、屋根から飛び降り馴染みの神社へと走り出す。この位置、男の脚力を考えれば10分もかからない。高笑いしたくなる気持ちを必死に押さえていた。
「お、戻ってきたな。少し時間がかかったか?」
仲間らしき人間が話し掛けると、石川五右衛門は笑みを浮かべながら言い返した。
「バーカ、遊んでたんだよ。普通に盗んで何が面白い?今頃、太閤サマは腸(はらわた)煮えくり返ってるぜ。」
「で?例の秘図は?」
「急かすな、ここにあるっつの。」
五右衛門が懐から取り出した紙を見て仲間の男が感心するなか、五右衛門は疲れた表情で井戸へと歩きだす。
「お、おい。」
「喉が渇いたんだ。別に驚く事はねぇだろ…」
「捕物だ!」
「?!…ちっ、見つかったか!」
先程の武士が戻ってきたのを見つけたのか、焦りだした仲間を他所に、五右衛門はやり過ごす方法を練っていた。
「ここしかねぇか…」
「お、おい!五右衛門!」
五右衛門は躊躇いなく井戸へと飛び込んだー